ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

3組、4組と…淡々とページをめくる。


そして5組−…。

見付けた瞬間、胸がドキッとした。

未だに、こんな気持ちになるなんて…。

ふっと笑って、そっと写真に触れる。

茶色がかった髪、そして誰よりも調った顔は、少し浮いて見える。

「若いなぁ…」

彼は…愛しい人。

写真はもちろんカメラ目線で、何だか見つめられているみたい。

今見てもカッコイイって思わせるとか…ずるいよ。


恥ずかしくなって、思いを馳せることも早々に、ページをめくった。


個人写真を過ぎれば、部活ごとの写真に切り替わる。

あたしは何もしていなかったから、写っていない。

何かしとけば良かったかな…なんて、今更ながらに後悔。


残りのページもあと僅か…。

最後は学校行事。

やっぱり、あまり写っていなかったのは覚えてる。

それでも記憶を辿りながら、自分の姿、友達の姿、そして…彼の姿を探す。
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