ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
ガタンッ
ドサッ
体に痛みが走る…。
あたしは見事に、床に落下してしまった。
「いったぁ…」
「大丈夫かっ!?」
駆け寄ってきてくれたのは…西藤くん。
そう、「津田?」って声は西藤くんのもので、だからあたしは余計に動揺しちゃったんだ。
「大丈夫。あははっ、あたしってドジだよねぇ」
「立てるか?」
そう言って、西藤くんは手を差し出してくれた。
なぜだろう…
胸がきゅんとなる。
「うん…」
西藤くんの手に自分の手を重ねて、立とうとしたその時…
ズキンッ
「!!」
右足首に痛みが走って、また座りこんだ。
「どうした?」
「足首…ひねっちゃったみたい」
「津田、何でまだ残ってたんだ?」
「由紀ちゃん待ってて…」
「中野まだ時間かかるのか?」
「そろそろ終わると思うけど…」
「わかった」
そう言うと西藤くんは倒れた椅子を片付けて、教室の隅に置いていたあたしの鞄を肩にかける。
そして、背中を向けてあたしの前にしゃがみこんだ。
「え…?」
「早く」
西藤くんは背中に回した手を、ひらひらさせる。
これって…
おんぶっ!?
少し躊躇いながらも、歩く事の出来ないあたしは、西藤くんの背中に乗った。