ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
☆裕也side☆


「そんなに苺ちゃんが心配?」

帰り道…麗奈が唐突に言った。

「は?」
「何だか浮かない顔してるから」
「別に…」

自分でもよくわからないが、夏祭りの後とよく似た感覚に襲われた。
ただ、心配か心配でないかと言われると心配だ。

「裕ちゃん、昔はあたし以外の女の子と全然話してなかったのにね」

麗奈が笑う。

「そんな事ねぇよ」
「なんだか寂しいなぁ…」


「麗奈っ、裕也っ!」

家の前に男が立っていた。

「お兄ちゃんっ!」

麗奈は、明人さんのもとに駆け寄って行く。


寂しいのは、どっちだよ……。
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