ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
♪苺side♪
あたしは全力で走った。
家まで走ろうと思ったけど、こんな顔じゃ、お母さんが心配するから…近くの公園に寄り道した。
あたりはもう暗くて、いつも遊んでいる子供達も、もういない。
良かった…泣いても大丈夫だ…。
そう思いながらも、もう涙は溢れていた。
ちゃんと笑えてたかな…?
西藤くん困ってないかな?
困ってるよね…ごめんね。
ツライ…
失恋ってツライんだね…。
寂しい?悲しい?悔しい?
涙…止まんないよ。
だけどあたし、告白した事を後悔してない。
ベンチに腰掛け、鞄を開けてチョコレートを出す。
包みを開けると、ハートのチョコレート。
パキっと割って、あたしはチョコレートを食べ始めた。
「ふぇ…んっ…ふ…」
甘い甘いチョコレート。
なのに、
今日は食べると、喉が痛いんだ。
泣いているからかな…。
このチョコレートは、あたしの恋心。
今、ここで全部食べちゃうから、
あたしの中で消化されて、なくなって。
そして、また明日も笑えますように-…。
「ばいばい…」
この日、あたしは自分の気持ちに…
背伸びした恋に…
“サヨナラ”したんだ。