空気清浄機彼女
男は思った。
ここは正念場だ。

トークをするんだ。

俺の今まで培った
トークの技術を総動員して

彼女と仲よくなるんだ!

恐る恐る言葉を選び
男は彼女に話しかけた。

「君…木とか花とか
なんていうか…自然系って好き?」

彼女は不思議そうな目つきで
男を見つめる。

「え?…うん。自然は好き」

彼女がそう言うと
男は待ってましたとばかり

勢い込んで話し出す。


「うっそー俺も好きなんだよね!」


男は持てるポテンシャルを
すべて使い切り

男前な顔を作る。


「君と草原でデートしたいな」
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