おちます、あなたに
結果から言うと、圧倒的にクラスの女子の人気を受けて、明日への扉になった。
私は楽譜と先生から渡されたテープを鞄に入れた。
みんなのために私が録音しなくちゃいけない。
自分のやりたい曲になった。
精一杯練習しよう。
「んじゃばいばい」
恭子が手を振り教室の扉に。
そこには恭子の彼氏が立っている。
「……いいな」
自然に漏れた言葉。
それはまさしく本音。
いつか私も……──
考えかけて首を振る。
こんなこと、考えてる場合じゃない。
私に、先輩の隣は似合わない。
晴れ晴れと広がっていた空が、今になって曇っていく。
あぁ、今日傘忘れちゃった。