いちごあめとキミ
本当のことを言うと、男子との文通も……名前呼び捨ても……

全部、全部……好きな人にやってもらいたかったことだから。

だから、爽汰くんにはやってもらいたくなんてなかった。


手紙の中だけSキャラ演じたって、

明るくて面白い、優しいような文章書いたって、



全然嬉しくなんてなかった。

爽汰くんに、心が揺れ動いたときなんて一秒もなかった。


実際に話すと、「あぁ……」とか「うぅ」とかしか言わない。

あたしは、手紙の中だけの自分をやめてほしかった!!


あたしが、ずっと……ずっとそう思っていたのにも関わらず、少しでもあたしが爽汰くんに話しかけると、必ずと言っていいほど

『話しかけてくれてありがとう!!』って書いてあったよね。


好意を持って話しかけてるんじゃない、そう言いたかった。

でも、言えない。そんなこと言ったら傷つくでしょう?


けど、今なら言える。
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