切恋
   ♪ピンポーンッ♪


  あたしの気持はドキドキなのに、それとは裏腹に軽い音を発するチャイム。


 少しして、「はぁい♪」翼の家のお母さんの声。

    ガチャリとドアが開く。


 「こんにちはっ!あのぉ・・・、翼くん居ますか?」
      
    「あらぁ♪愛望ちゃんじゃない♪また更に可愛くなっちゃってぇ♪」
あたしを見た瞬間、翼のお母さんが言った。


     「いえいえ、とんでもないですっ!」赤面中のあたし。

「あっらぁ♪テレちゃってぇ♪」うちのお母さんと同じ種だよぉ・・・。


     困っていると・・・・。


 「母さん、愛望困ってるって」呆れながらも、ようやく登場した翼。


     「もうっ!翼、今お母さんと愛望ちゃんせっかく話してたのにぃ」
悔しいとでも言うような表情。


そんな、翼のお母さんを翼は軽くあしらって、「公園、行こうか?」って言いながら、あたしの手を握った。


     ドキドキ、ドキドキ・・・。

 手から鼓動が、この胸の高鳴りが伝わってしまいそうになる。


     

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