cherry
気まずい雰囲気のまま、あたしの家に着いた。

また明日―。

そう言おうとした時、拓也の声によって、あたしの声はかき消された。

「俺さ・・・」

「えっ、何?」

拓也は、言いづらそうに下を向いた。

「・・・やっぱり何でもない。」

「えぇ~!気になるよ~」

そんな、途中で止められたら、誰でも気になるじゃん。

「じゃあさ・・・体育祭で優勝したら、咲良に話すわ。」

体育祭で優勝したら・・・?

「うん。分かった。じゃあ、体育祭、絶対優勝しようね!」

「まかせとけ!」

そう言って、拓也は帰っていった。
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