cherry
―ブー。

映画館らしい独特の音とともに、映像が流れ始めた。

内容は、切ない恋物語。

あたしは、感動しすぎて思わず泣いてしまった。

「そんなに感動したか~?」

瞬がさっきから泣いてばかりのあたしに、笑いながら尋ねてきた。

「めちゃ感動したし~!瞬は冷血人間なんだよ!?」

あたしは、笑いながら言ったのに、瞬は・・・

「あぁ・・・そうだな。」

と、遠くを見ながらつぶやいた。

えっ・・・本気で言ったわけじゃないのに。

そう思っていたら、瞬はいつの間にか元の瞬に戻っていた。

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