霊務2
【十年前の真実ー14】




それはやはり
三山を思っての事だろう







自分だけのうのうと
位の高いポストに
つくのは、

許されないことであった







「しかし…
それでは周りが…」







「いいじゃない。

この会社で
私を副社長だと
知る存在は
アナタだけですよ?」







もう他の面々は
辞めていったのだ。






藤原さえ
目をつぶってくれれば
済む話である。







「………」







黙る藤原にヨネさんは
頼み込む。







「お願いします藤原さん

どうしても
私にやらせてください」






真剣な眼差し…



何が彼女をそこまで
突き動かすのだろうか?






「米山さん…

何故そこまで
その役目を…」







藤原には
そのことが
理解できなかった。






それはそのハズ。

誰が考えても
副社長にまで上がった
人間が

そのようなポストにつく
意味が分からない。







「…―――の為ですよ」






藤原はハッとして
聞き返した。







「何ですって?」
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