俺様彼氏と空手彼女
だけど、私は葵じゃなきゃダメなんだ。
葵が好きだから。
だから、隼人の気持ちには答えられない。
その気持ちを、素直に伝えるつもりだった。
「…っ!!」
隼人を見上げようと、視線をあげたとき。
私の頬に隼人の手がそえられたかと思うと
私の唇は、隼人の唇と重なられていた。
「…ちょっ、なにするのっ!!」
慌てて隼人を突き飛ばした。
「隼人…っ!!どうしてこんなことっ」
「…」
「隼人のこと、信じてたんだよ…?ちょっと嫌なヤツだとは思ってたけど、こんなこと絶対しないって信じてたのに…。」
頬を、一滴の涙が伝う。
悲しくて、悔しくて。
だけど隼人は
「お前を…守るためなんだ、璃依」
どこか辛そうに、小さくつぶやいた。
なんで…、そんなカオするの。
隼人のくせに…。