1/5の罪と傷、6%の生きる糧
その後、

私達は朝の喫茶店でコーヒーを飲んで

駅で別れる事にした。

駅のホームのドアの内側と外側に立って、

これが見納めだ、

と思ったその時に一瞬だけ、

何だか分からないけれど

お腹から全身に伝わるとても変で

妙な違和感にはっきりと気がついた。

電車のドアが閉まって

彼がどんどん遠くなって

見えなくなった後で座った私は

頭によぎった考えを打ち消して

『まぁ、コンドームだってちゃんと

していたのだからそれはないだろう』

と苦笑いをしながらも

一瞬感じた違和感は拭い去れなかった。


私は、聡と別れた翌日から

東京へ行き、数日間研修をした後で、

サイパンへと旅立った。


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