白虎連合Ⅰ






リビングには父と母、姉と私。

テーブルを囲んで家族四人が集まる。



こんな雰囲気、初めてで。







「お父さんがなんの仕事してるか知ってるやんな?」


「貿易会社やろ?」


「そう、それで…」







父の質問に、私だけ答える。



と、いうことは私だけ知らないらしい。

だって姉も反応がない。







「会社での実績が認められて、海外に引っ越すことになってん」


「海外?!どこ?!」


「ロンドン」


「ロンドン?!」







あまりにも唐突な話で頭が着いていかない。

朝言いたかった話って、このこと?



しかも…ロンドン?






「い、いつから…?」







声が震える。



引っ越すっていっても、まだまだ先やんな?

例えば一ヵ月後とか、三か月後とか。





だってそんなん、










「一週間後…かな」











あり得へんやん。












.
< 337 / 382 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop