白虎連合Ⅰ
「失礼しましたー」
「俺もっ」
「コラ黒澤!!!お前はまだやろ!!!」
先生の話を無視し、悠介くんは私と一緒に職員室を後にする。
どうするのかと思うと、そのまま私に付いてきて。
「一瞬に帰ろうや」
「……うん」
笑顔で言われ、下駄箱まで向かう。
悠介くんの言った通り、彼はよく私に話しかけるようになった。
そして紫織がデートで帰れないときも、一緒に帰るのを誘われて。
いつの間にか自然と私もそれが普通になっていた。
「最近な、」
「ん?」
「ゆいちゃんアイツ等に虐められてるって聞いたんやけど」
「あー…」
「あれって本間?」
心配そうに私の顔を覗く。
けど私は笑って、
「大丈夫」
とだけ伝えた。
.