夢虫
夢ノ店
私がある悪夢に毎晩のようにうなされていたときのことだ。

私はある日、今までに見たどんな悪夢よりも恐ろしい夢を見た。
少なくとも私にとっては。
その悪夢が毎晩のように続く。
いつの間にか私は寝ることに対し、恐怖を抱いていた。

眠ればあの悪夢。
しかし、寝なければ体がもたない。
そんなことを考えているうちに、私はまた寝てしまう。


『夢虫』。
そんな店があるという噂を友人から聞いた。
なんでも夢を売ったり買ったりしている店らしい。
夢とは・・・寝たときに見るもの。その夢。

そんな店、あるもんか。
夢なんて、あんなもの、売ったり買ったりできるものじゃない。
そのとき私はそう考えていた。


けれど、この出来事は私の考えを逆転させた。
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