オトナ彼氏∞



「…わ…たし…」


「…ん?」


「私…ま…正樹さんに…なら……」



…正樹さんにならどんなことされたっていい


もっと…もっと正樹さんを知りたい



「結花?」


「…私を…大人に…してください…」



私の言葉に正樹さんは少し驚いたように目を大きく開いた


「…それは…意味わかってるの?」



私はこくんと縦に首を振った


もっと正樹さんに似合う女性になりたい


西川さんのような女性にはほど遠いけど…


正樹さんは向かい合う私の体をそっと抱き寄せる



「ダメだよ…。そんなこと男の前で言っちゃ…」


「正樹さん…だからです…」



私は頭がぽーっとしていて、なんだかふわふわしていた


さらに確実に近くに感じる正樹さんの肌の温かさと優しい香りが、余計私をおかしくする



「…好き…です…」


「結花…」




苦しそうな正樹さんのかすれた声が耳元でする



「…あっ」



そのまま耳たぶに正樹さんの唇が触れた

ちゅっと軽い音が耳に響く



「結花…」



かすれた声にただただ体が反応する



震える私の体を抱き寄せる正樹さんの腕が腰に回った



< 220 / 226 >

この作品をシェア

pagetop