君に本当の愛を教えよう



その日の夜
翔子ちゃんに電話してみた



「…もしもし」



昨日と同じく
出るのは遅かった


やっぱ俺が男だから
気が引けるのだろうか



「もしもし、今日さ」



「な、」



「ん?」



「なんで増井くんは
そんなに私と関わろうとするの?」



「なんでって」



「増井くん、K高でしょ?
私と関わらない方がいいよ…」



「…?俺はただ」



会ったときから
あまりにも君が
頭から離れなかったから



「お、男の人が
わ、私になんか相手にするなんて
体目当てとかにしか思えない!!!」



「…………」



男の俺が彼女に関わるのは
こんなにも彼女を
傷つけることだったんだ



「はぁはぁはぁ…」



ゴドン



「…?
翔子ちゃん!?」



何度呼んでも返事はない


携帯が落ちた音がした
彼女は倒れているかもしれない


俺は近所のコンビニ前で
電話をしていたので
とりあえず
U女学園まで自転車を走らせた



俺のせいで

俺のせいで男性恐怖症の病状を
悪化させてしまったのかもしれない


なんで翔子ちゃんは
男性恐怖症なんかになってしまったんだ


分からない


分からない


なんでだ!?
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