君に本当の愛を教えよう
「翔子ちゃん!」
彼女は俺に気付いて
走る俺を見た
「はぁはぁ…心配した…
混乱してるんじゃないかって」
「知り合いですか?」
「はい、まぁ…」
さっきあんなことを言われて
知り合いと名のっていいのかは
不安だったが
翔子ちゃんは
手に何か、おそらく
メモを握り締めていた
ゴクン
彼女は唾を飲んで
「ごめん」
と落ち着いて言った
「知り合いなら私もう行くね
翔子よろしく」
「待って!いて!」
「あ…うん」
この子はどうやら
彼女の病を知らないようだ