君に本当の愛を教えよう



あんな笑顔の翔子ちゃんを初めて見た


あんな風に笑うんだ


なんだか
新しい一面を知れて嬉しい



「翔子っ
増井くんと友達なんだってね!
最近私も仲良いの!」



「…そぅ」



「増井くんが
私と翔子会わせてくれたんだよー」




翔子ちゃんと目が合う


ばつの悪そうな顔をする


変な別れ方をしたことを
気にしているのだろう



「せっかく
久しぶりに会えたんだし遊んできなよ
俺は帰るから」



「増井くん!」



「………」



「なんだあいつ…笑

増井もああ言ったし
俺、教室閉めたいから
出るとしますよ

翔子、俺のデスクから
ここの教室の鍵取ってきて」



「はい」



……………



「あれ?
先生もと翔子知り合いなんですか?」



「中等部のとき教えてたんだよ」



「そーですか」



窓を閉める越後先生
微妙な空気が流れる



……………



私も窓締めを手伝うとともに
翔子と先生の仲について聞いてみた



「…その
翔子が先生のデスクまで知ってるってことは
先生と翔子って相当な仲な」



「そういう紗千お姉さんは
翔子とどのくらい仲良いの?」



「お姉さんって、笑
仲良くなったのは中学からですけど
幼稚園からのなかですよ?」



「?」



「習い事が一緒で
よく同じレッスン受けてたんです。」



「あーバレエ?」



「あ、はい」



「紗千お姉さんはまだやってるの?」



「いえ、高校入るときに辞めて」



ガラガラガラ



「はいっ先生、鍵ぃ」



「翔子おかえりー」



「………」



「紗千お姉さん
忘れ物ないようにねー」



「あ、はい…」



なんか
おかしいよこの2人…
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