乾柴烈火 Volatile affections
私が次に向かったのは、ドロップ。

ここは会員制クラブで、

本当かどうかは知らないが、

会費が16万円もするらしい。

会員でない私は通常ここに入れない。

そう分かっていても

あのまま一緒にいたら、

何をされるか分かったものじゃない。

入り口の黒人は、

先週ここの会員のお客さんと

一緒に来た私を覚えていたからか

それとも今日は珍しく空いていたからか

まだ3時だというのに私たちを通してくれた。

彩が呆れ顔で、

「志保、あんな輩を相手にしては駄目だよ。」

と言ったので、

「あらぁ?あんたにもそんなモラルがあったのね。」

と言って笑った。




案の定、

その後1時間もしないうちに

私の意識は朦朧として起きたときには

リビングのソファーの上だった。

彩が約束を守ってくれた事に感謝した。

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