通勤電車は甘く切ない時間

今日も、エスカレーターで彼女を探す。

彼女を見つけて、今日も会えたことにホッとして、ぼんやりしていたら…



「これ、違いますか?」


「……へっ!?」

見ると、彼女が俺の目の前に立っていた。
彼女の手には、見慣れたキーケースが握られている。


この時の俺は、人生史上最大に、カッコ悪かった。

最悪だ……
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