モノクロォムの硝子鳥
「……もう寝ようかな」
今日一日だけで、だいぶ疲れてしまった。
あれこれ考えるのは明日にしよう。特にこれと言ってやる事も今は無い。
この大き過ぎるベッドで寝るのは少し抵抗があったが、他に寝る場所もないので仕方ないと諦める。
どう見ても身分不相応な待遇は、ひゆに変な気疲れを感じさせていた。
シュルリ…と、リボンタイを解いたところでひゆの手がぴたりと止まる。
(……ワンピースのまま寝たら、ダメ……だよね)
ひゆの為に用意されたと言われたが、流石にこの上質なワンピースを着たまま寝るのは申し訳ない気がしてしまう。
折角のワンピースが皺だらけでダメになってしまうのに気が引けて、何か他に着替えられるものが無いかと部屋をぐるりと見回した。
寝室には大きなクイーンサイズのベッドの他に、アンティーク調のナイトテーブル。
小さなテーブルとソファーが一対。
大きな薄型液晶テレビがあったり……と、上級ホテル仕様の高級感がある。
見回した部屋に大きなクローゼットが目に入り、失礼します……と小さく断りを呟いてから大きな扉を開いてみた。
開いた扉の中を一通り見てから、静かにパタンと閉じる。
「……何でこんなに服があるの?」
開いた扉の中には、今着ているワンピースと同じくらい、またはそれ以上の上質な洋服がズラリと並んで入っていた。
ファッションに興味が無く、ブランドもさして知らないひゆでも、収納されている洋服が高価なものだと言うのは見ただけで分かる。
寝る為に何か軽装を借りれればと思ったが、とても借りて着れそうな物は無かった。
どうしよう……と暫く考えていたが、ふと思い出して寝室を出る。
「……制服なら、大丈夫かな」
