春うララ~時代劇編~
【ララー23】


…この日
今でも一生忘れません…


夜中に私と先輩は
客の少ない居酒屋で
飲んでいましたが

袖に入れてた銭を落とし

その銭が隣のおじいさんの
足元に行ったのが
事の始まりでした。




「お~~
じいちゃん!悪いね!

何だい1人で飲んで?
うちらと一緒に飲もう!」




「いいぞ…
では飲もうかの」




私達は
おじいさんに向かって
座りました。




(フードをかぶって
よく顔が見えないなあ…)




怪しいが
悪い感じの人じゃ
なさそう。


だけど何だろう
この重々しい雰囲気は…




「じゃあ改めて
かんぱ~~い!」




最初はいろんな話をして
楽しんでましたが、
先輩の一言で
事態は急変しました。




「じいちゃん。
店の中なんだから
フード取りなよ

ホラ!★」




ララは酔いに任せて
バッと老人のフードを
取った。




「あら~なかなか
凛々しい顔の
おじいさんね~」




ララは別に変化はないが

春はその顔を見て
一瞬で凍り付いた。



その人物は…




と、と、と、とよ…!




春は目を疑った。

まさかこんなとこに
居るハズもない。


酔って見間違えた?

いや違う。




この人は…

豊臣秀吉だ…




「嬢ちゃん…
大声は上げないどくれよ

ワシの頼む意味は
分かるかな?」




はう!!!




天下の豊臣秀吉の
頼み事!!




もし大声を出したら…




春は息が出来ない程
固まってしまった。



一方ララは
秀吉のヒゲを触りまくる



「このちょびヒゲ
かっこいいわ!
アンタ渋いね~」




ヒィィィ!!




なんてご無礼な!!




酔っ払ってるから
気付かないんじゃない!

世間知らずの先輩は
関白様の顔を知らないんだ!




この先どうなる?!
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