Maidoll Factory
だけど。

「…それが何ですか…」

小さく、るちるが呟く。

「………え…?」

涙と鼻水でクシャクシャになった顔を上げ、るちるを見上げる僕。

そんな僕の前にしゃがみ込み、両肩を掴んで。

「おやっさんに認められなかったからって何ですか!誰にも認められなかったからって何ですか!」

るちるは僕の体をガクガクと揺さぶった。

「いいじゃないですか、誰にも認められなくたって!メイドールを作る理由も動機もない?何もかも失った?そんな事ないでしょ!?」

彼女は真剣な眼差しで僕を見た。

「よく思い出して下さい先輩。先輩が人形技師を目指した理由や動機って、本当にお客さんの為とか、おやっさんに認められたい為とか、そんなものでしたか?」

僕の肩を掴むるちるの手は、女の子とは思えないほど力がこもっていた。

「違うでしょ?もっと単純なものだったでしょ?ただ、『メイドールが好きだから』…そんな単純なものだったでしょ?」

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