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金曜の夕方、ハルナは家の近くの本屋にいた。
大好きな少女漫画誌を立ち読みしていた。周りには同じような姿の女子高生が数人いた。
本当は今日、高橋と一緒に映画を観に行くはずだったんだ。
それなのに、急にバイトが入ったらしくドタキャンされた。
そのことには特に何も言わず、「どんまい」と笑ってやると、高橋はバイト先のオーナーの愚痴をぶつぶつと言いながら、慌ただしく去っていった。

それからしばらくして。
珍しくユウからメールが届いた。
「仕事早く終わったから、ハルナん家行って良い?」と、そんな感じのメール。
「夜ご飯はオムライスがいい」と返事をした。すぐに「了解」と返ってくる。しかも謎のおにぎりの絵文字付きだった。


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