涙味のキス

ヒタヒタと静かに足音が響く


自殺場所では定番の
"屋上"へと向かう


歩くのがつらい


ここは3階だ


6階建てのこの病院の屋上まで
登るのはとてもキツかった


目が見えないせいで
何度も階段でつまずく


壁伝いにゆっくりと歩を進める

手の平に触れる壁は
当然ながら冷たく冷めていた


それはまるで
天国への階段を
のぼっているみたいだった―・・・

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