オレの相棒。
次の五番打者は三振に仕留め、オレ達の攻撃を迎えた。
一番の悠弥が素振りしながら打席に向かう。
「なあ、兄貴」
ベンチの最前列に座っているオレのすぐ横に座る大和。
「ん?」
「悠弥先輩、足引きずってるように見えない?」
「なんで?」
「影山とのさっきの接触プレー、あいつ明らかに悠弥先輩の足首狙ってた。痛めたんじゃないかな」
大和の言葉を遮るかのように、審判の「アウト」がベンチに聞こえてきた。
「今の走りも、悠弥先輩らしくない。打球もいいとこに転がったのに、アウトになるなんておかしい」
大和が言っていることは確かに正しい。
チーム1俊足の悠弥が、簡単にアウトになるなんておかしい…
「わかった。オレから聞いてみるよ」