オレの相棒。
■夏の栄光
---「ストライクバッターアウト。ゲームセット!!」
最後のバッターを打ち取り、マウンド上でガッツポーズする大和の姿をレフトから見る。
夏の甲子園予選が始まり、オレ達嶺北野球部は順調に勝ち進んでいっている。
大和とオレを始め、投手層は暑い。
一回戦、二回戦ともにオレが投げて今日の試合、準決勝は大和が投げきった。
あと二つ勝てば、甲子園。
「ナイスピッチング、大和くん。それに東の守備も輝いてたよ~」
スタンドからは悠弥がメガホンを手に叫んでいる。
「わかったから。着替えて正面玄関行くから、待ってろ」
「ん、了解」
松葉杖を頼りに階段を一段一段降りて行く悠弥の背中を、ただ見つめていた。