君色の夢に恋をした。
上を向いた視線の先にいたのは、1人の男。
無造作な黒髪に、子犬みたいな笑顔。
その満面の笑みからは、爽やかなオーラが溢れ出ていて。
「……。」
なんで振り向いてしまったんだろうって、一瞬で思った。
それはあまりにも、彼が私と正反対の人種だったから。
「……。」
一瞬合った視線を逸らし、無言で片づけを再開する私。
これは、この男への『これ以上私に近づくな』っていう合図。
このまま一緒にいたって何にも得することはないんだから。
私にも、この男にも。