君色の夢に恋をした。




「…何の絵、書いてるの?」



でも彼は恐ろしく、鈍感さんみたいで。

無視されたのにも関わらず、男は首を傾けながら問いかけてくる。




もちろん、無視、無視、無視!

きっと無視していれば、この男も帰っていくだろうから。

私はただ、その時を待つだけ。



「俺、蒼井 翔って言うんだ。」




―…だけど彼は鈍感なだけでなく、筋金入りのしつこさだったらしい。


聞いてもいないのに、勝手に自己紹介を始めてくる。



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