君色の夢に恋をした。
「暗い絵を描く人は、何か悩みを抱えてることが多くて、
明るい絵を描く人は、希望に満ち溢れた生活を送ってる人が多いんだって。」
「……だから私は悩みがあるんじゃないかって、言いたいの?」
私の絵に口出ししなかっただけ、マシなのかもしれないけど。
そんなの、余計なお世話。
私は描きたい絵を、描きたい時に描く。
他人に口出しなんてさせない。
「いや……、そうじゃなくて……。」
翔は、困ったように髪を一回だけ掻いた。
フワリと浮かび上がる、彼の柔らかい髪。
それさえ不快に感じて、宙に舞ったそれをキッと睨む。