君色の夢に恋をした。


「関東大会で優勝して…
全国大会に出場することが決まったんだ。」



真っ白い歯を覗かせながら、早口で喋る翔。



…あぁ、そっか。


だから今日は、どこか嬉しそうだったんだ。



『…よかったじゃん。

頑張っていたもんね。』



慎重に、
丁寧に、

言葉を綴った。



私はきっと、誰よりも翔の努力を知っている。


自分のせいで試合に負けたと、落ち込んでいる翔。


サッカー選手になるのが夢だと、キラキラとした目で語った翔。


汗水たらして、誰よりも一生懸命グランドを走っていた翔。


才能を持っている翔だけど、その才能の裏には、

いつだって。


努力があった。



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