君色の夢に恋をした。


全ては一瞬で。
全ては酷で。


何も、考えられないほど。



頭が、耳が、肩が、腕が、

――手が。


ねじ曲がるかのような強い衝撃に襲われて、

一瞬でフワリと体が軽くなる。



ガラスの小さな粉が器官に入り、私は咳き込んだ。



…もう、ダメかもしれない。



遠ざかる意識のなか、うっすらと思う。



意識がなくなる直前、



「早口!!!!!」



脳裏に浮かんだのは、


翔の笑顔だった――…










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