君色の夢に恋をした。


中村先生から受け取ったのは、早口から俺への手紙だったんだ。


手紙には早口の綺麗な字で、こう書いてある。



〈翔へ

私も翔のことが大好きです。〉



たった、2行。


だけど、そのなかには早口の想いが伝わってるような気がして…

涙が出そうになった。


それを、必死でこらえる。



「…蒼井、よかったな。」



中村先生が、優しく笑う。


声を出すと涙が零れそうな俺は、無言で何回も頷いた。



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