君色の夢に恋をした。
「……。」
『……。』
シン、って。
一瞬の沈黙が走る。
「ごめんね…。」
顧問はそれだけ言うと、走ってどこかへ行ってしまった。
そんな顧問の後ろ姿を見ながら、小さくため息をつく私。
…やっと、終わった。
私は、もう一息ついて、その場に腰を下ろす。
さっきのロスタイムの分、いつもより着々と絵を書かなきゃ。
…そう思って、筆を握った、
その時だった。
「さっきのは、ないんじゃない??」
標準よりは少し高めで、
好印象を与える爽やかな声。
いつの間にか聞き慣れていた、その声。