りんごのハート
「大丈夫!?」

「あ…うん…」

「よかった!気を付けなよ」

「あっありがとう…」

「顔赤くなってるよ?」
!?

わたしは手で顔を隠す。

「へ…変でしょ…」

「なんで?全然変じゃない。可愛いじゃん」

ボッ!ー頬が熱いー。

な…んで…?

赤い顔を可愛いって言われるのは嫌だった。

なのに…何故か嫌じゃない。

「じゃ行くね!」

わたしを助けてくれた男の子は行ってしまった。
…胸まで熱くなってる…。
なんだろう。

心臓が落ち着かない。

トクントクンとうるさい。





やっと教室に着いた。

遅刻だ、遅刻だ…。

新しい教室ー。

震え手で戸を開けた。

「遅いぞー!」

「すっすみません…」

見上げると…わあぁァ…

顔が小さくて、
すらっとしてて
おしゃれな先生…。

綺麗…。

「おーい?」

ハッ!みとれてた!

周りの人が笑ってる。

はっ…恥ずかしい…。

「自己紹介をしろー」


え…自己紹介…

苦手だな…。

「わっわわわわ…」

「ニワトリか」

クスクス…

笑い声が聞こえる。

うぅ…入学早々ついてないなぁ…

うつむきながら

「わたしは…椎名りんご…です…。」
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