上司に恋しちゃいました
「そういえば、なんでまだ敬語なの?」


鬼の王子はあたしを見下ろしながら言った。


こんなに近くで鬼の王子の顔を見ると、その整った顔立ちに改めて気付く。


ドキドキが治まらない。


鬼の王子に慣れることは一生不可能のように思えた。


「そ…それは……」


敬語の理由、それは昼間のイメージが強すぎるからだ。


夜はあたしの恋人でも、昼は怖いあたしの上司。


怒鳴られることはなくなったとはいえ、オンオフがはっきりしている鬼の王子に叱られることなんてしょっちゅうだ。


「まぁいっか。氷の姫を抱いてると思うと余計興奮するし」


……ん? 氷の姫?


眉を寄せたあたしに、あれ?知らなかった? と鬼の王子は言った。

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