上司に恋しちゃいました
なかなか言葉にできずにいると、


「恥ずかしがってくれると嬉しいよ」


と言ってくれた。


「ほら、俺ってSだろ?」と鬼の王子は笑った。


「確かにSですね。ドSです」


とあたしが睨みながら言うと、鬼の王子は声をたてて笑った。


「俺って意地悪?」


「……時々」


あははははとバスルームに響き渡るような声でまた笑った。


反省して直すつもりはないらしい。


でも、それでいい。


ううん、それがいい。


時々意地悪な所も、ドSな所も好きだから。


鬼の王子の全てが……好きだから。
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