上司に恋しちゃいました

「美月はね、俺のツボなんだよ」


「え?」


滅多に呼ばない下の名前を言ったので、驚いて首だけ後ろに振り返った。


「普段は何にも動じないって顔してるのに、一旦スイッチが入るとエロくなる」


鬼の王子はニヤっと笑った。


「そ、そんなことないです!」


エロくなるなんて、そんなことっ!


「試してみる?」


にやりと笑った鬼の王子は、あたしの頭を押さえて深いキスをしてきた。


「……んっ」


バスルーム内に唇の重なる音、舌の絡み合う音が鳴り響く。



ようやく唇を離してくれると、息切れをしていた。


「ほら、エロい顔になってる」


火照った身体。



鬼の王子にキスされただけでスイッチが入ってしまう。
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