上司に恋しちゃいました
「あっ…ちょっと待って!」


慌てて宮沢さんを引き止めると、宮沢さんは面倒くさそうに振り返った。


「何デスカ?」


「あの……昨日のことで話があるんだけど……」


宮沢さんはあたしをじっと見つめた後、深いため息と共に


「昨日のことなら心配しなくても誰にも言いませんよ」


と言った。


「そういうことじゃなくて……」とは言ったけれど、誰にも言わないとの言葉に安心した自分もいた。

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