上司に恋しちゃいました
髪をセットして貰っている間、「よろしければネイルはいかがですか?」と言われたので、フレンチネイルを施してもらうことにした。


小指に一つだけラインストーンをつけてもらう。


会社や気ずまりな社会へのささやかな反抗心のよう。


上から下まで変身すると、視界が拓けたようにパッと広がった。


楽しい!


長い間忘れていたこのかんじ。一社会人だけど、一人の女なんだから。女に生まれてきたからにはオシャレを楽しまないでどうする、あたし。


ショーウィンドウに映った自分を見た時、無性に鬼の王子に会いたくなった。


鬼の王子の隣を歩きたい。この服を見てほしい、この髪を見てほしい、このネイルを見てほしい、そしてあたし全部を見てほしい。
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