上司に恋しちゃいました
「風邪ひくぞ」


いつもとは違う態度のあたしに、心配する顔を見せておきながら、手を引っ張って連れてこられた場所はラブホテル街。




「あ……あの、課長……?」


どういう意図でこんな所に連れてきたのか。


困惑の色を浮かべるあたしに、鬼の王子は平然とこんなことを言い放った。


「お前が濡れてるから」



……濡れてるから?



濡れていたらラブホテルに入るの?



何もホテルじゃなくても喫茶店に入るとか、家まで送るとか色んな方法があるじゃない?



鬼の王子はさも当然のようにラブホテルの中に入っていった。




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