上司に恋しちゃいました
「さっきはごめんなさい」

「俺も、怒鳴って悪かった」


ほっとした。そしてあたしはある決意をした。


もう一度、勇気を出そう。


自分の素直な気持ちが分かった今、あと必要なのは相手に伝える勇気だけだ。


「あたし、やりたいことができたんです」

「やりたいこと?」

「アパレル関係の仕事をしたいなと思って」

「アパレル? なんでまた急に」

「急ではないんです。昔からやりたかったことです。やりたかったけど、自分の気持ちを押し殺しすぎて、自分のやりたいことが分からなくなってて」


相手がどう思うかばかり考えていた。


鬼の王子の『仕事を辞めてくれ』という言葉を優先しすぎていて、自分の素直な気持ちを見失っていた。


まだ何も伝えてないのに、反対されることばかりを恐れて。

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