上司に恋しちゃいました
濡れた髪が鬼の王子の額にかかる。


鬼の王子は、寝ぼけ眼であたしを見つめた。


あたしも目をそらさずに鬼の王子を見つめた。



「お前……ズルいよ……」



ズルい?



何が?



あたしから言わせれば、こんな可愛い顔を見せるあなたの方が数倍ズルい。



鬼の王子はあたしの頭に手をかざすと、ぐいと力を入れて引き寄せた。



重なる唇。



シトラス系の爽やかな香りがした。

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