上司に恋しちゃいました

鬼の王子が突然歩みを止めたので、右肩に鼻がぶつかってしまった。


「ぶっ……あっ! すいません!」



鬼の王子を見上げて慌てて離れようとすると、ぐいと腕を掴まれた。



抱きしめられたかのように、身体が近かった。



背伸びをしてほんのちょっと顔を近づければキスができてしまうほど……。



「あ…あの……」


「周りくどい言い方は嫌いだから端的に言う。
君を誘ってるんだ。今晩一緒にいてほしい」



心臓が爆発したかと思った。

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