上司に恋しちゃいました
鬼の王子があたしを後ろから抱きしめながら、あたしの身体を洗う。



あたしの腕を優しく何度も撫でるようにスポンジを使いながら。



時々首筋にキスを落として。



こんなことをしていると、一緒にお風呂に入るのも悪くないなと思ってしまう。



まるで幸せな恋人達のよう。



例え偽りでも、この気持ち良さにすがっていたい。



「また二人きりで会ってくれるか?」



ぼーっとしていた頭がこの一言で冴え渡る。



「……はい」
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