上司に恋しちゃいました
発注書作成は予想以上に大変で、出来上がった頃には夜になっていた。



「うわ~やっと終わった~。すんません深川さん、こんな遅くまで」


島田君はイスに座りながら大きく伸びをした。



「ううん大丈夫。それより明日納品間に合わなかったね」


今日中に終わらせろ!と言った鬼の王子。


今日中には終わったけれど、もう就業時間はとうに過ぎている。



そのことなら、と島田君は嬉しそうに話し出した。



「課長が方々に頭下げに行ってくれて、優先的に運んでくれることになったんです。

だから今日中までに発注書を完成させれば、明日予定通りにお客さんに届くんですよ。間に合ったんです!」



そう……だったんだ。



あの後すぐに出掛けたのはそういう理由だったんだ。

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