王子様orお姫様 ~お姫様の正体は王子様!?~
 やっとすべての授業が終わり帰る途中。

「光ちゃんはどんなケーキが好き?チーズ
ケーキ?それともチョコケーキ?」

「何でも好きですよ。姫野さんが得意なケ
ーキでいいですよ」

 あたしの得意なケーキか~。あたしの得
意なケーキはチョコケーキ。

「分かった、それじゃーあたし材料買って
くるね!」

「気おつけてくださいね」

「みやび、あたしたちに心配かけさせない
ようにね」

「うん、分かった!」

あたしは小走りで材料を買いに行った。


《光サイド》
 姫野は小走りで材料を買いに行った。

「あのさぁ光」

「何?」

 美里が急に話しかけてきた。

「昨日、みやびがさぁー何か隠してるでし
ょって言い始めてさぁー」

「あいつ以外に勘がいいな」

 ばれないように気をつけないとな。

「気をつけてね」

「分かってるよ」

 そして俺たち2人は寮に戻り、みやびの
帰りを待った。


《みやびサイド》
「早く買って戻って作って~光ちゃんの喜
ぶ顔が見たいな~♪」

 あたしは小走りをやめてスキップをやり
ながらスーパーに入った。

 スーパーに入るとそこには前まで毎日会
っていた幼馴染の姿があった。

「えいちゃん?」

「あれ?みやびじゃん!何やってんの?」

「それはあたしのセリフだよ」

えいちゃんは相変わらずだな~。

「学校はどうだ?」

「楽しいよ!友達もできたし」

「そうか、良かったな」

「えいちゃんは?」 

 そう聞くとえいちゃんは寂しそうに言っ
た。

「どうしたの?」

「別に。ただ・・・」

「ただ?」

 えいちゃんは急に黙り込んだ。

 すると顔を真っ赤にして、

「お前が居なくて少し寂しい」

 と言い下を向いた。

「え・・・?」

 あたしは時が止まったかのように固まっ
た。

「えいちゃん、とりあえず買うもの買って
しまって外で話しよう」

 えいちゃんは下を向いたままうなずい
た。

 あたしは買い物し始める。

 今のえいちゃんなんかおかしかった。な
んていうかすごく可愛かった。










< 15 / 205 >

この作品をシェア

pagetop