王子様orお姫様 ~お姫様の正体は王子様!?~
 もちろんあたしの口の中に入れたのは光
君。

「おいひぃ」

 いつもよりお茶漬けがおいしく感じる。

 あたしはお茶漬けを飲み込んで光君にお
礼を言った。

「ありがとう」

「しょうがねえだろ。俺しかお前を看病す
る奴がいねぇんだから」

 しょうがないって・・・。

 でも嬉しい。

 なんか光君に「ぎゅうー」ってしたくな
っちゃった。

 あたしは熱のせいで思ったことを行動に
移してしまった。

「光く~ん」

 あたしは光君に抱きついた。

「えっ!?ひっ姫野急にどうしたんだよ」

「抱きしめたくなったからそれで・・・」

 もう何してるのか自分も分からない。

 あたしがこういう行動に走る時は熱が上
がった証拠。

「抱きしめたくなったって・・・」

 光君はあたしの言葉を聞いて顔を赤くし
た。

「・・・すぎんだよ」

「?」

 光君今なんて言ったの?

 聞こえなかった。

 ああもう駄目だ。

 あたしは光君に抱きついたまま眠りにつ
いてしまった。
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